公も民も非正規問題は深刻なんです

3月22日(金)の東京新聞のネットニュースに「非正規職員の相談員ら ハローワークで大量雇い止め」というわが目を疑うような記事がありました。
一部引用すると以下のような内容です。
雇用の安定を目指すはずのハローワーク(公共職業安定所)で、相談員などとして全国で働く非正規職員のうち、約1割に当たる2,200人が、この3月末で職を失う。突然「雇い止め」を告げられた職員たちは、業務で失業者の相談に乗りつつ、自らも勤務時間外や休暇に職を探す事態となっている。4月以降、窓口が 混乱しないか懸念する声も上がる。(稲田雅文)
・・・・(中略)・・・・
厚生労働省によると、2012年度の全国のハローワークの職員は31,765人。うち、非正規職員が20,176人と全体の63.5%を占める。部署によっては、正規職員の十倍以上の非正規職員がおり、主なサービスの担い手となっている。
3年ほど前、連合福岡ユニオンで主催している市民公開労働講座での、「官製ワーキング・プア」の現状に関するアミカス嘱託職員ユニオン本多委員長のお話が思い出されました。
本多委員長の話によると、非正規公務員の多くがプロパーと同等の業務を担っているのに低賃金で、雇用年限の制限で雇い止めがあるなどきわめて不安定な身分にさらされており、また非正規公務員(特別職)は地方公務員法によって守られない、いわば「法の谷間」に置かれた立場にあるとのこと。
民間の非正規労働者はまだ労働契約法やパート労働法によって最低限守られていることがあっても、公職の非正規労働者は法的な身分保障がほとんどなく、今回の記事にあるハローワークの非正規職員の人たちの「雇い止め」は、まさに「法の谷間」にある非正規公務員のきわめて不安定な雇用問題そのものだと思いました。

ちなみに公共職業安定所(ハローワーク)は、厚生労働省設置法23条に基いて全国に設置されているわけですが、この厚生労働省設置法の第3条に「任務」として次のように定めています。
(任務)
第三条  厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを任務とする。
にも関わらず、自ら2,200人もの「労働者」を使い捨ててしまうハローワーク。
どこが「こんにちは仕事」なのですか?いっそのこと「バイバイワーク」か「公共職業不安定所」に名称変更したらどうですか?と皮肉りたくなる所業。

労働行政の最前線の組織でありながら、あからさまな任務放棄・・・・厚生労働省は恥ずかしくないのでしょうか?

公か民かに関わらず、連合福岡ユニオンはすべての「非正規労働者」の問題に焦点を当てて闘っていきます。

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